目次
1. 食と健康に関する話題
2. 農林水産物の機能性に関するサイエンストピック
3. 研究会からのお願い
1. 食と健康に関する話題 – 夏の暑さと健康 -
今年も夏がやってきました。昭和・平成の夏は様々なレジャーやスポーツを楽しめる季節でしたが、令和の夏は厳しい暑さと戦う季節です。
欧州では次々と最高気温の記録が更新され、40℃を超える都市が続出。熱中症による死者が各国連日1000人規模で多発し、追い打ちをかけるように山火事が発生しているとの報道があります。熱波は北米大陸にもおよび、ニューヨークも42℃を超える日が発生。温暖化対策を放棄したトランプ政権を酷暑が覆っています。日本でも酷暑日が続出しており、東北・北海道もエアコン無しでは耐えられません。
さて暑さに効く食を調べてみると多くの情報が出てきますが、ビタミン、ミネラル、タンパク質など、きちんと栄養を摂ることに集約されるようです。加えて熱中症対策に、水分と塩分の補給が必要となりますが、食による暑さ対応には限界があります。人類は低温下で体温を維持するのは得意ですが、高温下で体温を維持する(熱を体の外に逃す)手段として、汗をかいて放熱する仕組みしか備えていないのです。そのため、暑くなる前から運動などで汗をかきやすい体質に調整する“暑熱順化”や、物理的に体を冷やす工夫(直射日光を避け冷却服を利用するなど)を取り入れることが、個人としてはもちろん、組織としても求められています。暑さ指数(WBGT: wet bulb globe temperature)を導入して、熱中症リスクを下げる取り組みも進んでおり、屋外での活動はWBGT31以上で原則禁止です。各省庁のガイドラインを厳守した場合、真夏の屋外作業はほぼ出来なくなります。ウェザーニュースの昨年のデータを見ると、夏の甲子園は夜間・早朝だけ、各地の夏祭りも夜だけが活動可能範囲です。
以前とは全く異なる、暑い・苦しい・・・あんまり好きじゃない・・嫌い?・・な季節に変わりつつある“夏”、様々な慣習を見直すことが早急に必要でしょう。
2. 農林水産物の機能性に関するサイエンストピック –ゴーヤー-
夏バテ対策に適した夏野菜の一つに、ゴーヤーがあります。ビタミンCやカリウム、葉酸が豊富で、疲労回復効果が期待できるとのことです。独特の苦味は、モモルデシンというトリテルペノイド成分で、炎症を抑え血糖値を下げる機能が報告されています。近年岩手県でも栽培されているゴーヤーですが、現在、主たる産地沖縄で深刻な問題が発生しているということです(https://www.maff.go.jp/pps/j/introduction/domestic/dkinkyuu/seguro.html)。
1980年代まで、ゴーヤーは沖縄などの南西諸島だけで栽培される野菜でした。当時、ミカンコミバエやウリミバエといった害虫被害が深刻で、植物防除のために本土への持ち込みが禁止されていました。沖縄では、1987年から不妊化したオスバエを数億匹単位で毎週放飼することにより根絶に成功し、90年代後半から本土への持ち込み、本土での栽培が可能となったということです。
令和6年、新たにセグロウリミバエがの大発生が確認され、令和7年4月からウリ類・ナス類の緊急防除が発動されました。現在、ウリやナス類の本土への持ち込みが制限されています。寄生された1つのゴーヤー持ち込みが、本土の野菜生産に甚大な被害を及ぼす可能性がありますので、沖縄に行く方は、どうぞ注意願います。
3. 研究会からのお願い
〇会員の皆様からの情報提供について
研究会では、メールマガジンに掲載する、会員関連情報を募集しています。イベント開催や商品案内等、研究会内で共有したい情報がございましたら研究会事務局までご連絡ください。