目次
1. 研究会からのお知らせ
2. 食と健康に関する話題
3. 農林水産物の機能性に関するサイエンストピック
4. 研究会からのお願い
1. 研究会からのお知らせ – いわて農林水産物機能性活用研究会 総会の開催について -
いわて農林水産物機能性活用研究会の第11回総会を、書面にて開催いたします。後日、グループメールおよび郵送にて、資料を配布いたします。
2. 食と健康に関する話題 – エンゲル係数 -
イラン戦争の影響が、いろいろなところに出てきています。その中で、気になる報道がありました。昨年2025年の二人以上世帯のエンゲル係数が、44年前と同水準の28.8%になったというものです。エンゲル係数は食料費が消費支出に占める割合のことで、一般には貧困の度合いとともに大きくなると言われています。近年のエンゲル係数上昇の要因は、主に食料品の値上がりということなので、2026年はさらに上昇する可能性が高いでしょう。
では、貧困の指標の一つとされるエンゲル係数は、健康とも関係するのか?という疑問が沸いたので調べてみました。しかし直接的な資料は見つからず、複数の報告から推測を行いました。新型コロナのパンデミックの影響がない2019年のOECD加盟国のエンゲル係数を並べると、ドイツやイギリスなど欧州で一人当たりGDPが4万ドル〜5万ドルの国は、20%前後、日本の一人当たりGDPは4万ドルで25%、ポルトガル、スペイン、ギリシャは3万ドル以下で、エンゲル係数も30%前後でした。確かに、エンゲル係数が高い国ほどGDPは少ない傾向は見られましたが、これらの国の平均寿命・健康寿命は80歳・70歳前後で、エンゲル係数や一人当たりGDPとの相関はなさそうです。欧州では、ポーランド、スロバキア、ハンガリーなど東欧国、北米のメキシコの平均寿命が75歳以下、健康寿命が66歳以下です。寿命と関係しそうなのは、医療制度や食文化かもしれません。世界でも異質なのは米国で、エンゲル係数は15.6%と世界一低く、一人当たりGDPは6万5千ドルとの経済大国です。ところが平均寿命76歳・健康寿命64歳と、ポーランドなどと同じくらいです。疾病の治療技術は世界一の米国ですが医療負担額も世界一、経済格差も大きく、安価な超加工食品と薬代わりのサプリメントの流通量が飛び抜けて多い国です。非常に多様な超加工食品を誰もが手軽に入手できる米国の食環境は、特に中流階級以下の世帯への影響が強く、健康の維持を困難にしている可能性が示唆されています。きつい言い方をすれば、人々の健康まで経済効果の追求に利用しているのが米国資本主義なのでしょう。パンデミック後も医療費の増加に歯止めがかからない状況を変えようと、米国政府も炭水化物摂取量の低減や超加工食品の抑制に乗り出しているようですが、政治的な混乱もあり見通しが立っていないようです。
日本は今後エンゲル係数の上昇が続きそうですが、食品以外も値上がりしているので、高止まりするかもしれません。いずれにせよ、健康長寿に貢献してきたであろう食文化は大切にしたいものです。
3. 農林水産物の機能性に関するサイエンストピック – 小麦の食物繊維 -
食物繊維がお腹の調子を整えることは良く知られていますが、小麦にも腸内環境を改善する発酵性食物繊維が含まれることを、医薬基盤・健康・栄養研究所と、株式会社日清製粉グループが報告しました(2026年5月11日https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000072829.html)。
小麦には、レジスタントスターチ(難消化性澱粉)や、アラビノキシランなどの発酵性食物繊維が含まれ、これを腸内細菌が代謝することで体調管理に有用な短鎖脂肪酸(酪酸)が産生されます。
今回、Agathobacter rectalisという腸内細菌が、レジスタントスターチを利用して増殖し、アラビノキシランを利用して酪酸を産生することで、腸内環境が改善できる可能性が示唆されました。研究では、一般的な小麦の約5倍の食物繊維を含む高食物繊維小麦から製造した小麦粉からパンを作り、これをボランティアが食べて、その効果を調べています。お腹の調子を整えるパンがあれば、毎日食べたくなりそうです。
4. 研究会からのお願い
〇会員の皆様からの情報提供について
研究会では、メールマガジンに掲載する、会員関連情報を募集しています。イベント開催や商品案内等、研究会内で共有したい情報がございましたら研究会事務局までご連絡ください。
なお、情報提供にあたっては以下の事項について確認をお願いします。
■原稿は、事務局で確認(会の目的や活動との整合性等)後掲載します。
■メルマガ発行は、毎月最終水曜日となります。原稿は、その前週金曜日ごろまでに事務局までメールにてお願いします。
■原稿様式は、特に定めておりませんがテキスト形式で送付ください。掲載する体裁等は事務局に一任ください。